山行歩き方と筋肉疲労

 登山では、登りより下りの方が楽と考えがちですが、下り坂では日常生活ではあまり使われない歩き方を繰り返すので、筋肉細胞が壊れ、筋肉痛、膝が笑うなどしてしまいます。登りでエネルギーを使い果たし、下りでは疲れが出て地面や地形の変化に対応できなきなる。その結果注意力散漫になり、石につまずいたり木の根で滑ったりする。

 人間の体力は20歳前後でピークに達し、それ以降は徐々に老化します。体力は1年に約1%低下すると言われています。50歳でピーク時の70%、60歳で60%、70歳では半分の筋力となります。

水分補給

 登山で大量の汗をかくと体内の水分や塩分なども失われ、体内のミネラルバランスがくずれ、脱水症状の原因にもなります。水分はできるだけ頻繁に少しずつとり、汗で体外に出た水分を補給します。

 登山中の水分必要量は、体重 m(kg)の人が x(時間)の登山をしたときの脱水量は

  脱水量(mL )=5 × 体重 m(kg)× x (時間)となります。

良い歩き方

 登り始め:最初は体が慣れていないので、ゆっくりと歩きます。それでも体調が不良であれば、よりペースを下げ、体調がよくならなければ断念するか休憩を取ります。また、衣類を脱着して、自分のコンディションに合った服装で歩きましょう。

 歩きなれてきたら、つねに一定のペースで歩きます。息を切らさずにゆっくり登れば、かなりの急坂もこなせるはずです。また、常に一定のペースで歩くことも大切です。正しいペース配分で歩く、つまり急なところではゆっくりと、なだらかなところでは速めに歩きます。

 足の運び方:足の運び方は人によって異なりますが、基本は片足でも安定してたっていられる訓練をすることです。片足立ちが出来ると言うことは、次の足をどこに着くのが安定するかを見つけやすいはずです。そのためには、まず踵から着地して膝を少し曲げ気味に足全体で立つことです。次の足の着地点を見つけ、そちらに重心を移します。普段の歩行から、片足立ちを心がけて慣れておきましょう。

 ペース登るスピードは登山者によって千差万別、登山は競争ではないので、マイペースで行くことが大切です。楽な速度で歩くことがバテない秘訣です。パーティーによる登山では、遅い人にペースを合わせます。パーティーでは、遅い人を前に、速い人はその後に従って歩くことも考えておきましょう。速い人にとっては、自分にあった速度でないため返って疲労とストレスがたまりペース配分が狂ってしまうこともありますので注意してください。

 運動によって心拍数が一定以上になると「息が切れた」状態になります。 では、「心拍数がいくつになると息が切れた状態になるのか?」、これは人によっても違いますが、概ね年齢によって標準的な目標心拍数があります。

 ストックを使って歩く方も増えてきています。特に雪道や小川を渡る場合には、ストックを使って安全度を高めることが求められます。ストックは登山道を痛める原因にもなるので、装備の項で説明する注意に従って使用してください。

休憩

 45分歩いたら5分休む。個人差がありますが、こまめな休憩は必要です。大休止は余計に疲れます。休憩は疲労を回復させるための手段で、歩き方の一部です。時間を決めてきちんととる必要はありませんが、ひとつの目安として、5分くらいの小休止を30分に1回、あるいは10分くらいの大休止を1時間に1回程度とるとよいでしょう。

 休憩時に、軽い屈伸運動やストレッチをすると効果的です。また、休みすぎは禁物です。身体が冷え、調子が崩れる原因にもなります。休憩時には、行動食などのエネルギー補給する、水を適度に飲み、水分を補給することを心がけましょう。

 大休止の時は上に一枚着重ねるなどして体を冷やさないようにします。バテの原因はスタミナ切れ、少しでも早く吸収されてエネルギーに変わるものを摂取します。疲れた時には飴やチョコレートなど甘いものやレーズンなどを、適度にとりましょう。

水分の補給

 血液の循環促進のためにも必要不可欠な飲み物です。夏場は1.8リットル、冬場は1.0リットル位持って行きます。水分が不足するといろいろな障害がでてきます。だるさ、吐き気、食欲不振、頭痛、熱射病なども脱水に起因します。大量の水を一度に摂取せずに、少しずつ、何回かに分けて飲みます。また、スポーツドリンクは、糖分および汗で失われた塩分や電解質を補給できる点では優れていますが、これでは食事を作ったり、手洗い、不慮の傷口の洗浄などにには効果ありません。そのため必ず水やお茶を持って行きましょう。

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